映画評 「響ーHIBIKIー」、「あの頃、君を追いかけた」

 「響ーHIBIKIー」と「あの頃、君を追いかけた」という、アイドルが主演であるがゆえに、一般人からは何となく敬遠され、ヲタからは興行成績だけを捉えて「大爆死」とか揶揄されてしまう、内容とは関係ないところで勝手な評価がなされてしまう、悲しい宿命を背負った・・・

でも、映画が好きな者として、客観的に観ると、どちらも映画としてしっかりできている。
平手友梨奈も齋藤飛鳥もちゃんと役になりきって見えたし、監督も手を抜くこと無く(そもそもアイドルが出るから手を抜くような監督がいるはずもないのだが)監督自身の世界観をフィルムに焼き付けている。
入場料に値するだけの作品に仕上がっていたと思う。

と、一応客観的な評価をした上で、個人的な好みの話をしよう。

わたくし、 金曜日に「響ーHIBIKIー」を観て、翌日「あの頃、君を追いかけた」を観たのである。
(響の公開からずいぶん経っているが、「カメラを止めるな!」の2回目を観るのを優先させたらこの時期になってしまった。)
近接した時期に観ると、かたや暴力を肯定し、かたや暴力を否定しているのが対照的で面白い。
「響ーHIBIKIー」は暴力を肯定しているわけではない、響の純粋さが暴力という形で現れてしまうだけなのだ、と、言うことは簡単である。私もそれを痛快な思いで楽しんだ。それでも、心の片隅で「でも、これでいいのかな?」という思いは消えなかった。
柳楽優弥の受けた暴行は、下手をすれば死ぬか障害が残りかねないものだったのではないか。響が止めた電車には、子供をお迎えに行くお母さんが乗っていたのでは、親が危篤で急いでいた人がいたのでは。
鉄道会社に賠償できればいいわけではないのではないか。

考え始めれば、そういうことが気になる。
エンターテイメントとして気にしなければ、それはそれで良い。
ウルトラマンが怪獣を倒せば万々歳。その足元で市民が犠牲になっているなど、考える必要はない。
でもなぁ、私はザンボット3やガメラ3邪神覚醒に感動してきた世代だからさぁ・・・
響は「高機能社会不適合者」ではなく「ちょっとエキセントリックだけど純粋な少女」と思えるような表現があれば良かったかと思うが、監督はそんなことは百も承知でこの脚本で撮ったのだろう。私も結局無責任な評論らしきものを書き散らしているにすぎないのだ。

さて「あの頃、君を追いかけた」
こちらはエキセントリックな要素は全くない・・・なくはない。家では全裸の親子とか勃起ギャグとか、所々に顔を出す台湾エッセンスとか、でもそういうところは置いておくと、結構何もない。
恋愛感情が存在したのかもあやしい。
しかし、青春映画としては良くできている。高校生のころに、こういう付き合いができたらよかったなぁとうらやましくなった。監督の飛鳥の撮り方も、自然体の飛鳥の姿を引き出していて、とても良かった。アイドル映画と肩肘を張る必要もなく、ただ飛鳥が好きになる(ような気がする)。山田君もよかったし、松本穂香さんがすごく良かった。

でも恋愛映画ではないなぁ。
私の恋愛映画生涯ベストワンは「砂時計」なんだけど、それにかすってもいない。
でも青春映画としては佳作だったと思います。
エンタメとして楽しめたのは[響ーHIBIKI-」の方ですが(気になるところには目をつぶって)。

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